わたしは、現在50代半ばですが、職場の人間関係の問題を解決しようとし、さらに人間関係を悪くしてしまうという、絶望的な状況に陥っています。50代になっても、精神的に何も成長しておらず、あせって問題を解決しようとして、より事態を悪化させてしまうこともしばしばです。
みなさんは、思い切って解決しようとして、さらに問題を悪化させ、どうにもならなくなった経験はないでしょうか。
特に人間関係に関わる問題は、解決が難しいです。そういうとき、どのように対処すれば良いか、わたしなりに考えてみました。
人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
会社の人間関係がつらいです。
もし、経済的に大丈夫なら、辞めたいです。でも今後の生活を考えると、辞めることはできません。さらに老後資金も貯めないと。
確かに、コミヤの勤めるような中小企業の場合、異動や転勤がないから、人間関係が固定化してしまい、気の合わない人と20年、30年一緒に仕事をすることになる。これはきついじゃろうなぁ。
コミヤのような、もともとネガテイブな人間は、そういう時に、ポジティブに考えることはできないじゃろう。また、無理にポジティブに考えると、返って精神的に辛くなるものじゃよ。
有名な心理学者アルフレッド・アドラーは、他者を仲間と思えないと、常に人間関係に苦しむ人生になると論じています。
アルフレッド・アドラーとは、オーストリア出身の精神科医で心理学者。「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と定義しています。
解決できない問題に対処するには
「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を知っているかな?
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、簡単に言うと、解決できない問題に耐えていく力のことなのじゃ。50代は、この力が必要ではないかと思うのじゃよ。
精神科医で作家の 帚木蓬生さんの本「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)」に詳しく書かれています。
ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) [ 帚木蓬生 ]
ネガティブ・ケイパビリティとは、
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える力」あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」
(帚木蓬生 著「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)」より引用)
帚木蓬生さんの本には、欲を持たず、これまでの経験や記憶から導き出した答で、簡単に理解し、解決しようとしないことがネガティブ・ケイパビリティを育む上で大事だと書かれているのじゃ。
50代の人なら、解決できない難しい問題にいくつも出会って、持ちこたえてきているので、すでに備わっているとも考えられます。
これまで、持ちこたえている間に、答えがみつかる場合もあったでしょうし、時間が解決してくれたこともあったでしょう。当然、解決できないままのこともあったでしょう。
今まで、それを、単に問題解決能力がない、消極的としか捕らえていなかったと思いますが、それこそが、自分に備わった能力であり、武器ともいえるのです。
ポジティブな問題解決能力も、もちろん必要ですが、人生の中で、簡単に答えが見つかる問題の方が少ないのではないでしょうか。そのとき必要とされるのが、「ネガティブ・ケイパビリティ」です。
著者の帚木さんは、難しい状況に陥る度に、「ネガティブ・ケイパビリティ」という能力を思い出し、支えにしていたと語っています。
まとめ
今回は、解決できない問題に耐えていく力「ネガティブ・ケイパビリティ」ついて書きました。
もしかしたら、一生答えは、出せないかもしれません。しかしただ持ちこたえるだけでも、十分に立派です。むしろ何も解決せず、それでも生きていけたら、とりあえずOKです。
厳しい局面を迎えたら、「ネガティブ・ケイパビリティ」を思い出してみてください。少し気持ちが楽になると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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