いざそのときに、ベストな選択ができるよう参考になれば幸いです。
継続雇用と他社への再就職
旅行のWebサイト・アプリで有名な「エアトリ」の調査では、60歳定年後も働いている方は全体の約65%で、そのうち定年前と同じ会社で働いている方が41%、別の会社へ再就職された方が36%でした。
「エアトリ」の調査では、定年後の年収は、300~400万円が一番多いです。200~300万円が17%、100~200万円で15%でした。
この調査では定年前の年収が900万円以上の方が34%と一番多いことから、アンケートに答えた対象者が、大企業の方が多かったのではないかと推察されます。50代の平均年収が500万円台と考えると、定年後の年収は100~300万円くらいになるのではないでしょうか。
出典:「定年後の再雇用」に関するアンケート(株式会社エアトリ)
継続雇用には2種類ある
というのも「勤務延長」とは、60歳以前と同じ賃金、仕事内容、役職で勤務する制度だからじゃ。
「再雇用」だと賃金が大きく下げることができるので、会社側のメリットが大きいのです。
60歳を超えての再就職は難しい
ドライバー、軽作業、製造、清掃、販売、接客、警備、などは人手不足じゃが、経理、総務、営業事務などのオフィスワークは人が余っているのじゃよ。
AIがさらに進化し、安価になればオフィスワークはさらに人がいらなくなるじゃろう!
40、50代から自分の市場価値を客観的に調べ、他社で通用するスキルがあるか確認しておく必要がありますね。
定年までに自分のやってきた仕事のスキルを整理し、他社でも通用するよう磨き、そのスキルに関する資格を取るなど、自分の市場価値を上げるよう定年に向けて準備しておくことじゃ。
登録は無料なので、転職の意思がなくてもどのくらいのオファーがあるのか調べておきましょう。
自分の市場価値を把握するなら以下から
継続雇用のメリット・デメリット
継続雇用のメリット
就職活動をしなくて良い
年金加入期間が長くなるので、年金支給額が増える
仕事の内容、職場の人間関係がわかっている
継続雇用のデメリット
給与が下がる
役職・役割が変わる
年金をもらっている場合、減額されることがある
継続雇用と再就職にかかわる給付金
継続雇用と再就職にかかわる給付金についてみていきましょう。
高齢者雇用継続給付金
「高齢者雇用継続給付金」とは
「高齢者雇用継続給付金」は、60~65歳未満の方の引き下げられた賃金を補う給付金です。
以下の条件をすべて満たした方に給付されます。
- 支給対象月、初日~末日まで被保険者であること。
- 60歳定年後も、働く65歳未満の方。
- 60歳時点の賃金と比較し、その賃金が75%未満であること。
- 失業手当(基本手当)を受給しないで、働いていること。失業手当をもらうと高齢者雇用継続給付金の受給資格はなくなる。
- 5年以上雇用保険被保険者期間があること。
※同一会社へ継続雇用、他社への再雇用で①②③④の条件を満たせば受給できる。
※離職と再就職が60歳前後1年以内であれば、受給資格がある。
「高齢者雇用継続給付金」の計算
60歳到達時:賃金月額30万円の場合
支給対象月の賃金 | 60到着時賃金と比較 | 給付金 |
26万円 | 86.6% | 0 |
20万円 | 66.6% | 16,340円 |
18万円 | 60.0% | 27,000円 |
「高齢者雇用継続給付金」の支給期間
失業手当を受給できる残りの日数 | 高年齢再就職給付金の支給期間 |
再就職前日から計算200日以上 | 再就職の翌日~2年経過月まで |
再就職前日から計算100日以上200日未満 | 再就職の翌日~1年経過月まで |
※給付金支給中に65歳になった場合は、65歳到達月で打ち切り。
高齢者再就職給付金
「高年齢再就職給付金」の受給要件
「高年齢再就職給付金」は、失業手当を受ける手続き後、再就職が決まった際に受け取ることができる給付金です。
受給要件は以下のとおりです。
- 支給対象月、初日~末日まで被保険者であること。
- 5年以上雇用保険被保険者期間があること
- 60~65歳未満で再就職であること。
- 1年以上の雇用が見込まれること。
- 再就職手当(※)を受給していないこと。
- 再就職に際して、失業手当を受給していないか、その支給残日数が100日以上残っているあるいは支給日数の3分の1以上あること。
「再就職手当」とは
失業手当をもらう手続きをした後、早期に就職が決まった際に支給される手当のことです。
失業手当を支給された日数が、失業手当が支給される日数の3分の1以上残っていた場合に、もらうことができます。
失業手当の支給残日数が1/3以上ある | 失業手当の支給残日数が2/3以上ある | |
支給率 | 60% | 70% |
計算式 | 失業手当日額×支給残日数×60% | 失業手当日額×支給残日数×70% |
「高年齢再就職給付金」の計算方法
「高年齢再就職給付金」=「再就職後賃金」×下記支給率
支給率は、賃金低下率を計算し、以下の表から選択します。
賃金低下率 | 支給率 | 賃金低下率 | 支給率 |
75.0%以上 | なし | 68.0% | 6.73% |
74.5% | 0.44% | 67.5% | 7.26% |
74.0% | 0.88% | 67.0% | 7.80% |
73.5% | 1.33% | 66.5% | 8.35% |
73.0% | 1.79% | 66.0% | 8.91% |
72.5% | 2.25% | 65.5% | 9.48% |
72.0% | 2.72% | 65.0% | 10.05% |
71.5% | 3.20% | 64.5% | 10.64% |
71.0% | 3.68% | 64.0% | 11.23% |
70.5% | 4.17% | 63.5% | 11.84% |
70.0% | 4.67% | 63.0% | 12.45% |
69.5% | 5.17% | 62.5% | 13.07% |
69.0% | 5.68% | 62.0% | 13.7% |
68.5% | 6.20% | 61.5% | 14.35% |
61.0%以下 | 15.0% |
賃金低下率=再就職後の賃金÷前職の賃金月額(※)×100
※前職の賃金月額は上限476,700円、下限75,000円です。
賃金低下率は、18/30×100=60
60%となります。
賃金低下率がわかりましたので、上記の表から支給率を選択し「高年齢再就職給付金」を計算します。
「高年齢再就職給付金」=「再就職後賃金」×上記支給率
再就職後の賃金180,000×支給率15%(低下率60%の場合)=27,000円
「高年齢再就職給付金」は27,000円となります。
「高年齢再就職給付金」の支給期間
失業手当を受給できる残りの日数 | 高年齢再就職給付金の支給期間 |
再就職前日から計算200日以上 | 再就職の翌日~2年経過月まで |
再就職前日から計算100日以上200日未満 | 再就職の翌日~1年経過月まで |
※給付金支給中に65歳になった場合は、65歳到達月で打ち切り。
高年齢再就職給付と再就職手当
「再就職手当」は、再就職した時点で、給付金額が確定します。
「再就職手当」に対し、「高年齢再就職給付金」も「高年齢雇用継続給付金」も、残業などで賃金が増えると、給付を減額される可能性があります。
まとめ
今回は、定年後の継続雇用と知っておきたい給付金について書きました。
60歳で定年を迎え、継続雇用で65歳まで働くのか、新しい会社に再就職するのか、考える際に自分の市場価値がどれくらいかだけでも、確認することをおすすめします。
50代の内に確認しておきましょう。
自分の市場価値を把握するなら以下から
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