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【定年後の継続雇用】知っておきたい給付金(高齢者雇用継続給付金・高齢者再就職給付金)

雇用保険受給資格

コミヤ
コミヤ
老後資金のための貯蓄に不安があるので、60歳で定年になったあと、同じ会社の再雇用で65歳まで働けたらと考えています。
女性講師
女性講師
大企業では、定年を60歳から65歳に引き上げる動きもありますが、中小企業など多くの会社では、今のところ60歳定年、再雇用で65歳まで継続雇用が一般的ですね。
ドッグター
ドッグター
同じ会社で、継続雇用してもらうのか、他社に再就職するのか、起業や独力で収入を得るのか、はたまた働かないのか。人によって事情は異なるのじゃよ。
女性講師
女性講師
できれば継続雇用メリット・デメリット、もらえる給付金くらいは、定年前に頭に入れておきたいものです。今回はそのポイントを解説しました。

いざそのときに、ベストな選択ができるよう参考になれば幸いです。

継続雇用と他社への再就職

旅行のWebサイト・アプリで有名な「エアトリ」の調査では、60歳定年後も働いている方は全体の約65%で、そのうち定年前と同じ会社で働いている方が41%、別の会社へ再就職された方が36%でした。

「エアトリ」の調査では、定年後の年収は、300~400万円が一番多いです。200~300万円が17%、100~200万円で15%でした。

この調査では定年前の年収が900万円以上の方が34%と一番多いことから、アンケートに答えた対象者が、大企業の方が多かったのではないかと推察されます。50代の平均年収が500万円台と考えると、定年後の年収は100~300万円くらいになるのではないでしょうか。

出典:「定年後の再雇用」に関するアンケート(株式会社エアトリ)

女性講師
女性講師
では継続雇用と再就職についてみていきましょう。

継続雇用には2種類ある

女性講師
女性講師
「継続雇用」には、「再雇用」と「勤務延長」の2種類があります。
コミヤ
コミヤ
「継続雇用」って「再雇用」だけだと思ってました。
ドッグター
ドッグター
ほとんどの会社が「再雇用」制度を導入しているじゃろう。

というのも「勤務延長」とは、60歳以前と同じ賃金、仕事内容、役職で勤務する制度だからじゃ。

 

女性講師
女性講師
「勤務延長」は、労働条件が以前と同じなので賃金を下げにくく、会社側にメリットがないのです。

「再雇用」だと賃金が大きく下げることができるので、会社側のメリットが大きいのです。

60歳を超えての再就職は難しい

女性講師
女性講師
つぎに再就職についてみていきましょう。
ドッグター
ドッグター
60歳を過ぎて再就職する場合、余程の技能がないと要望する賃金をもらうことは、難しいじゃろう。
女性講師
女性講師
同じ会社で、再雇用の場合でも、かなり賃金は下がりますが、再就職の場合さらに厳しいといわれていますね。
ドッグター
ドッグター
雇用のミスマッチもあるのじゃ。

ドライバー、軽作業、製造、清掃、販売、接客、警備、などは人手不足じゃが、経理、総務、営業事務などのオフィスワークは人が余っているのじゃよ。

AIがさらに進化し、安価になればオフィスワークはさらに人がいらなくなるじゃろう!

女性講師
女性講師
60歳を超えてオフィスワークを希望する場合、余程のスキルがないと難しいですね。

40、50代から自分の市場価値を客観的に調べ、他社で通用するスキルがあるか確認しておく必要がありますね。

ドッグター
ドッグター
他社への再就職を考えていなくても、50代の内に人材会社に登録して、自分の市場価値を確認しておくことがおすすめじゃよ。

定年までに自分のやってきた仕事のスキルを整理し、他社でも通用するよう磨き、そのスキルに関する資格を取るなど、自分の市場価値を上げるよう定年に向けて準備しておくことじゃ。

コミヤ
コミヤ
他社でも通用するようなスキルがないわたしは、どうすれば良いのでしょうか?

 

女性講師
女性講師
自分の市場価値は、どの程度なのか、人材会社に登録して、引き合いがなければ、他社への再就職は諦め、再雇用してもらえるよう現在の仕事にとり組むことですね。

登録は無料なので、転職の意思がなくてもどのくらいのオファーがあるのか調べておきましょう。

自分の市場価値を把握するなら以下から

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継続雇用のメリット・デメリット

継続雇用のメリット

就職活動をしなくて良い

コミヤ
コミヤ
働き口が保証されているのは、ありがたいことです。
女性講師
女性講師
60歳を超えて就職口を探すのは、非常に難しく、採用面接はストレスがかかります。

年金加入期間が長くなるので、年金支給額が増える

ドッグター
ドッグター
年金の払い込み期間が増えるので、もらえる厚生年金も増えることになりるのじゃよ。

仕事の内容、職場の人間関係がわかっている

女性講師
女性講師
定年前と同じ仕事を任された場合、仕事の内容、人間関係も良くわかっているので、ストレスはありません。

継続雇用のデメリット

給与が下がる

女性講師
女性講師
定年前と同じ仕事内容なのに、大幅に給与が下がり、モチベーションの維持が難しい場合があります。

役職・役割が変わる

女性講師
女性講師
役職がなくなり、管理職だった方が、補佐的な職務に回ることも多いです。
ドッグター
ドッグター
柔軟に対応できる方なら、問題ないのじゃが、前職を引きづって、新しい立ち位置を見失うと難しいじゃろう。

年金をもらっている場合、減額されることがある

女性講師
女性講師
特別支給の老齢厚生年金(60歳から64歳まで支給される老齢厚生年金)が、高年齢雇用継続給付を受け取ると、減額される場合があります。

継続雇用と再就職にかかわる給付金

継続雇用と再就職にかかわる給付金についてみていきましょう。

高齢者雇用継続給付金

「高齢者雇用継続給付金」とは

「高齢者雇用継続給付金」は、60~65歳未満の方の引き下げられた賃金を補う給付金です。

以下の条件をすべて満たした方に給付されます。

高齢者雇用継続給付金の給付条件
  1. 支給対象月、初日~末日まで被保険者であること。
  2. 60歳定年後も、働く65歳未満の方。
  3. 60歳時点の賃金と比較し、その賃金が75%未満であること。
  4. 失業手当(基本手当)を受給しないで、働いていること。失業手当をもらうと高齢者雇用継続給付金の受給資格はなくなる。
  5. 5年以上雇用保険被保険者期間があること。

※同一会社へ継続雇用、他社への再雇用で①②③④の条件を満たせば受給できる。

※離職と再就職が60歳前後1年以内であれば、受給資格がある。

「高齢者雇用継続給付金」の計算

60歳到達時:賃金月額30万円の場合

支給対象月の賃金 60到着時賃金と比較 給付金
26万円 86.6% 0
20万円 66.6% 16,340円
18万円 60.0% 27,000円

 

女性講師
女性講師
60歳到達前に30万円の給与をもらっていた方が、60歳以後、給与が18万円となった場合、月額27,000円の高齢者雇用継続給付金(給付金は非課税)が支給されます。
ドッグター
ドッグター
月27,000円の高齢者雇用継続給付金を5年間もらうと162万円になるのじゃよ。
コミヤ
コミヤ
162万円は大きいですね。

「高齢者雇用継続給付金」の支給期間

失業手当を受給できる残りの日数 高年齢再就職給付金の支給期間
再就職前日から計算200日以上 再就職の翌日~2年経過月まで
再就職前日から計算100日以上200日未満 再就職の翌日~1年経過月まで

※給付金支給中に65歳になった場合は、65歳到達月で打ち切り。

高齢者再就職給付金

「高年齢再就職給付金」の受給要件

「高年齢再就職給付金」は、失業手当を受ける手続き後、再就職が決まった際に受け取ることができる給付金です。

受給要件は以下のとおりです。

高年齢再就職給付金の給付要件
  1. 支給対象月、初日~末日まで被保険者であること。
  2. 5年以上雇用保険被保険者期間があること
  3. 60~65歳未満で再就職であること。
  4. 1年以上の雇用が見込まれること。
  5. 再就職手当(※)を受給していないこと。
  6. 再就職に際して、失業手当を受給していないか、その支給残日数が100日以上残っているあるいは支給日数の3分の1以上あること。

「再就職手当」とは

失業手当をもらう手続きをした後、早期に就職が決まった際に支給される手当のことです。

失業手当を支給された日数が、失業手当が支給される日数の3分の1以上残っていた場合に、もらうことができます。

失業手当の支給残日数が1/3以上ある 失業手当の支給残日数が2/3以上ある
支給率 60% 70%
計算式 失業手当日額×支給残日数×60% 失業手当日額×支給残日数×70%

 

 

 

「高年齢再就職給付金」の計算方法

女性講師
女性講師
「高年齢再就職給付金」は以下の計算式を用います。

「高年齢再就職給付金」=「再就職後賃金」×下記支給率

支給率は、賃金低下率を計算し、以下の表から選択します。

賃金低下率 支給率 賃金低下率 支給率
75.0%以上 なし 68.0% 6.73%
74.5% 0.44% 67.5% 7.26%
74.0% 0.88% 67.0% 7.80%
73.5% 1.33% 66.5% 8.35%
73.0% 1.79% 66.0% 8.91%
72.5% 2.25% 65.5% 9.48%
72.0% 2.72% 65.0% 10.05%
71.5% 3.20% 64.5% 10.64%
71.0% 3.68% 64.0% 11.23%
70.5% 4.17% 63.5% 11.84%
70.0% 4.67% 63.0% 12.45%
69.5% 5.17% 62.5% 13.07%
69.0% 5.68% 62.0% 13.7%
68.5% 6.20% 61.5% 14.35%
61.0%以下 15.0%

 

女性講師
女性講師
賃金低下率は、以下のように計算します。

賃金低下率=再就職後の賃金÷前職の賃金月額(※)×100

※前職の賃金月額は上限476,700円、下限75,000円です。

女性講師
女性講師
例えば、前職の賃金月額が30万円だった方が、再就職後18万円となった場合

賃金低下率は、18/30×100=60

60%となります。

賃金低下率がわかりましたので、上記の表から支給率を選択し「高年齢再就職給付金」を計算します。

「高年齢再就職給付金」=「再就職後賃金」×上記支給率

再就職後の賃金180,000×支給率15%(低下率60%の場合)=27,000円

「高年齢再就職給付金」は27,000円となります。

「高年齢再就職給付金」の支給期間

失業手当を受給できる残りの日数 高年齢再就職給付金の支給期間
再就職前日から計算200日以上 再就職の翌日~2年経過月まで
再就職前日から計算100日以上200日未満 再就職の翌日~1年経過月まで

※給付金支給中に65歳になった場合は、65歳到達月で打ち切り。

高年齢再就職給付と再就職手当

「再就職手当」は、再就職した時点で、給付金額が確定します。

「再就職手当」に対し、「高年齢再就職給付金」も「高年齢雇用継続給付金」も、残業などで賃金が増えると、給付を減額される可能性があります。

女性講師
女性講師
状況次第で変わるので、注意が必要です。
コミヤ
コミヤ
残業で給付金が減るなら、残業しても収入は増えないです。残業しない方がよいかもしれませんね。

まとめ

今回は、定年後の継続雇用と知っておきたい給付金について書きました。

60歳で定年を迎え、継続雇用で65歳まで働くのか、新しい会社に再就職するのか、考える際に自分の市場価値がどれくらいかだけでも、確認することをおすすめします。

50代の内に確認しておきましょう。

自分の市場価値を把握するなら以下から

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コミヤ
コミヤ
最後までお読みいただきありがとうございました。

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